目標を「達成するリーダー」と「達成しないリーダー」の習慣 (アスカビジネス)

著者は、一般社団法人日本マネジメントケアリスト協会代表理事。二松学舎大学国際政治経済学科非常勤講師。JTで歴代最年少支店長として、万年最下位クラスの支店を連続日本一にするなど、組織を数々の偉業達成に導く。経営幹部として現場でマネジメントを実践しながら、41歳より公益財団法人日本生産性本部・経営アカデミーなどのビジネススクールで多くの企業幹部、管理職、リーダーを指導。｢人の本質に根ざしたマネジメント｣の実践で確実に成果に導く、｢組織力強化｣のプロとして講演依頼もひっきりなしで、マネジメントケアリストとして数多くの企業、自治体、各種業界団体、大学等全国各地で幅広く講演、研修、コンサルティングを行い、｢意識と行動を変える超実践派｣として、高い評価を得ている。著書に『はじめてリーダーになる君へ』(ダイヤモンド社)がある。元々、落ちこぼれのリーダーだったという著者が自身の経験を踏まえて語られるリーダー論は一読の価値があるだろう。落ちこぼれのリーダーだったからこそ、著者自身のリーダーとしてのスタイルが確立していった。その著者自身の体験から、著者が強く感じているのは｢プレイヤーとしての優秀さ｣と｢リーダー、マネジャーとしての優秀さ｣は違うということである。野球などでも名選手が必ずしも名監督ではないのと同じことだろう。著者は、本書で50の項目に分けてリーダーのあるべき姿について語っている。個々の項目を比較すると、互いに矛盾していると思われる箇所もある。例えば、項目03達成するリーダーは、言行一致でブレがない！と書かれているが、項目48達成するリーダーは、常に改善しようというマインドを持っている！とあり、一見すると互いに矛盾しているように映る。だが、全体を通してみると、著者自身の経験を基にして書かれているのだからそういう(一見すると矛盾する)箇所を含めてあるべきリーダー像なのである。世の中には、様々なリーダー論があり、そのいずれが正しいかは誰にもわからないだろう。ただ、一つ言えることは、｢国も会社もチームも、リーダー次第。｣ということである。かつて、ある新人政治家が当選した時に次のように語っていたのが非常に印象的だった。｢政治家としては新人なので、これから勉強していきます｣と語っていたのだ。一見、謙虚に映るこの言葉であるが、裏を返せば、｢勉強中は何もわからないので政治家として満足な仕事はできません｣と言っているのと同じことである。もちろん、その政治家はそのような発言はしていない。だが、リーダーたるものは政治家を含めてリーダーになってから学ぶのではあまりにも遅すぎる。それでは、リーダーとして力をつけるまでの間は、前記の議員同様満足な仕事はできませんと言っているのと同じことである。それでは、その間、国や会社やチームはどうなるのか？という視点が大きく欠落している。もちろん、実際にリーダーになってから学ぶことも多々あるだろう。わたしもそれを否定はしない。しかし、リーダーたるものはリーダーになる前からその準備をしておくべきである。｢国も会社もチームも、リーダー次第。｣リーダーが勉強中だからといってまわりの情勢は待ってはくれないのだ。本書を手にした方は、そのようなことは百も承知している方だと思う。本書のテーマは、｢目標を達成するリーダー｣。目標を達成するためにリーダーはいかにあるべきかが本書には50項目にわかれて書かれている。リーダーとして何をしたらよいのか？悩んでいる方やリーダーを目指している方は本書を読んで理想のリーダーを目指しては如何だろうか。(2018.9.14記)